日本語でも「地産地消」と言われるように、「その土地で取れたものを積極的に消費しましょう!」とよく言われています。
特にオーストラリアではその傾向がとても強く、「Local food matters」という言葉をよく目にします。
今日は、じゃあなんでそんなにローカルがいいのか?
ということについてみていきましょう。
WAでよく見る 「Buy West Eat Best」のロゴ

WA(西オーストラリア州)にお住まいの方、スーパーで買い物をしているとこのマークをよく目にしませんか?
この「Buy West Eat Best」は西オーストラリア州政府が推進する食品・飲料産業支援プログラムで、西オーストラリア州産の食品を消費者に広めることを目的としています。

最低50%以上がWA産の原材料を使用していることや、製造・加工がWA内で行われていること、その他ガイドラインを満たして、食品安全基準をクリアしている商品にこのロゴが貼られています。
このマークを基準に、ロゴを使用できる認定企業・製品を増やし、消費者に西オーストラリア産の商品を選んでもらうことを促進しているプログラムです。
結構いろんなところにこのマークが貼ってあるので、今度お買い物の際はみてみてください♪
【ローカルのものがいい理由】鮮度が良い状態で消費できる
さてここからは、なんでローカルで採れた食品がいい?ということについてみていきます。
「地元で採れたものがいい!」「その方がおいしい!」という人もいますね。
日本に比べるとオーストラリアの方がこの傾向が強い印象にあります。
ここからはその理由についてみていきます!

生産されたものが収穫されてから、消費者の手元に届くまでの時間が短いことが利点!
輸送時間が短い分、より新鮮で美味しい状態で手に入ることができます。
また、食品によっては冷凍保存の必要がありますよね。
地元のものを消費する場合、「冷凍→解凍→販売」などのプロセスが不必要なので、鮮度が良く消費できます。
野菜や果物は、熟してから収穫されるため、風味が豊かなうちに手元に届くのが、理由もローカルのものがいい理由のひとつです。
【ローカルのものがいい理由】季節に合った食生活ができる
昔、日本で整体の学校に通っていたときにこんな言葉を習いました。
「身土不二(しんどふじ)」
これは、人間の身体と土地は一体で、切っても切れない関係にあることを意味する言葉です。
仏教に由来する概念なのですが、「土地と体は環境は季節を含め別物ではない、生きている場所、生まれ育った土地で作られた食べ物が体にふさわしく合っている」という考えです。
つまり、その土地のもの、そして旬のものを食べることが一番体に合っている、という意味で使われてます。
日本の食文化は、季節のものをうまく取り入れているので、きっとこの考えが既にわたしたちのなかに根付いているのかもしれません。
冬には、冬にとれる食材を使ってお鍋を食べたり、夏には夏野菜を使ってさっぱりしたものを食す。
これが世界的に当たり前でないことにオーストラリアに来て気付きました。
オーストラリアに来てよく思うのが、「食べ物がつまらない」ということ。
バーガー、ピザ、ミートパイ、フィッシュ&チップスなど季節に関係がない食べ物ばかり。
私の彼はイタリア人ですが、イタリアにも季節に合った料理を食べる文化なので、きっと国によって違うのかもしれません。
話は戻りますが、地元でその季節に収穫された旬のものを食べることで、栄養価が高く、自然なリズムで育ったものを摂取できるので、私たちにとって健康的な食生活が送れると言われています。
無理な栽培や保存が少ないため、余分なエネルギー消費を抑えられます。
【ローカルのものがいい理由】地域経済を活性化

地元の生産者や企業を支援することで、地域経済が活性化します。
多くの人がローカルのものを消費することで、労働が必要になり地域の雇用が生まれます。このことは、地域の労働市場が活性化し、住民の所得が上がることにつながります。
また、売上が増えれば、新たな投資や設備の導入が可能になり、ビジネスの拡大につながる。
お金が地域内で循環していくことで、地域経済の安定と発展につながります。
【ローカルのものがいい理由】食品持久力の向上につながる
食品持久力とは、地域が外部の影響(輸入停止・災害・経済変動など)を受けても、安定して食料を確保できる能力のことをいいます。
ローカルのものを消費することで、安定供給が可能となります。
例えば、オーストラリアの東側で起こる災害による影響を考えてみましょう。
東側からの供給不足となりスーパーの棚がすっからかん、なんていう状態を目にしたことがあると思います。
遠く離れたオーストラリアの西側にも影響してきますね。
もしこれが、西側の地元の食料生産の中で生産&消費されていた場合、食料の供給にはそこまで影響はありません。
もしかしたら肥料などを他州から輸入している場合は、多少なりともダメージは受ける可能性もありますが、食料供給は比較的途絶えにくくなるでしょう。
これは災害だけでなく、輸送トラベル、貿易政策(国外輸出入の場合)、物流コストの上昇などの影響も考えられますね。
【ローカルのものがいい理由】環境負荷が少ない
長距離輸送に伴うCO2排出量を削減できるメリットがあります。
国外からの輸送の場合は、船や飛行機を使用します。また、長距離をトラックなどを利用して輸送する場合、トラックからのCO2排出は避けられません。
地元で採れたものを地元で消費する場合は、これらの排出が不要になるので、地球に優しいと考えられます。
また、過剰な包装や保存処理が不要になることも利点の一つです。
長期輸送のため冷凍保存や特別な処理をする食品もあります。そのために必要な過剰なプラスチックやその他の資材の消費も避けられません。
シンプルに生産と消費のサイクルができるのも、ローカルのものがいい理由の一つです。
【ローカルのものがいい理由】食品の安全性が高い
どこでどのように作られたかが明確でわかりやすいのが特徴です。
地元のマーケットを例に考えてみましょう。
直接買いに行く場合、生産者と話したりどんな環境で育てられたかを確認できるため信頼できます。
一方、輸入食品は長い流通過程を経るため、どこでどのように作られたかが不透明になりがちです。
また、「輸送の際の特別の処理」ということを先ほど触れましたが、輸送中に腐らないようにワックスコーティング(果物など)や薬剤処理(防カビ剤など)されることがあります。
このような余計な保存料や防腐剤を使う必要がありません。
さらには、各国で農薬・添加物の規制が違うため、海外産のものは自国の基準より緩い場合があります。
例えば、私の国では禁止されている添加物が、海外の一部の国では許可されているケースもあります。こう言った部分は目に見えづらいので、理解がしにくいですが、不透明になっている部分も含めてローカルの方が安全性は高いと言えるでしょう。
【ローカルのものがいい理由】文化やコミュニティを大切にできる
地元の特産品を楽しむことで、その土地の文化や伝統を守ることにつながります。
これは、地域の伝統的な食文化の継承にもなります。
また、生産者と消費者の距離が近づくこともメリットの一つ
実際にマーケットに行って、直接生産者さんから購入することで、「ああこんな人が作ってるんだ」と理解しやすくなります。
これは、前回のたまごの件でも触れた、「生産者の透明性」にも通づるところがあると思います。
いかがでしたか?
ローカルのものを選ぶことは、多くの観点からメリットがあり、持続可能な社会を目指すうえで重要とされています。
社会のためだけでなく、自分の健康のためにも地元の食品を積極的に取り入れていきたいと、この記事を書きながら思いました。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。