みなさんは「カリメロ」っていうアニメご存知ですか?
一度は見たことある(?)卵の殻をかぶったキャラクター。
もしかしたら私より若い方(三十代以下)の方はご存知ない方も多いのかなと思いますが。
これ、実はイタリアで生まれたキャラクターってご存知でしたか?
イタリア人のうちのパートナー。
たまに昔見ていたアニメの話をしてきます。
「カリメロって知っているか?」
という話から、YouTubeで動画を探してきてわたしに見せてくる。
そこから、イタリア生まれだということを知りました。
このカリメロのお話。
だいぶ現代(2023年)から見ると、偏りのある話だなーと思い・・・
今日のつぶやきとさせていただきます。
カリメロとは一体?
カリメロは、卵の殻を頭に被っている黒いヒヨコです。
周りのみんなと比べて、体が小さいカリメロ。それが故に、他の友達にからいじめられたりします。
いろんな困難や差別に遭遇しながらも、努力して困難を乗り越えるカリメロの姿が描かれています。
イタリアではむかし、7時から9時の間にコマーシャルにアニメがついた短編番組が流れていたそうで。ほとんどは子ども向けのアニメでした。
カリメロは元々、イタリアの洗剤会社Mira LanzaがCM番組カロゼッロ向けに製作したアニメーションCMだったらしいです。カリメロは、そこから次第に人気になって短編アニメ化されたそう。
その影響で日本でもアニメシリーズ化されています。
(参照:https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/tv/karimero/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カリメロ)
Calimero’s Complex / Syndrome・カリメロ症候群について
カリメロの口癖から生まれた「カリメロコンプレックス」という言葉。
日本語では「カリメロ症候群」と呼ばれます。
物語の中で、カリメロには不運にも悪いことが起こります。
そのときにカリメロはいつもこのように言います。
「僕は小さくて、黒いからだ。It is injustice.(不公平)』
refers to people who don’t stop complaining about how bad things are for them. However, behind most of them, there’s a deeper pain.
https://exploringyourmind.com/the-calimero-syndrome-complaining-as-a-way-of-life/
自己評価が低く、自分の身に起こった悪いことに文句を言い続ける人のこと。
そしてその悪いことに苦しんでいながらも前向きに乗り越えようとしていることを「カリメロコンプレックス/シンドローム」と言われるそうです。
悪いことが起こった時に、「自分はあーでこーだから、不公平だ。」とwingingするが、文句を言うことで自分の傷を隠している、のがカリメロコンプレックス/シンドロームの特徴です。
「Karen」も似ている?と思ったけど、ちゃんと調べてみると
pejorative slang term for an obnoxious, angry, entitled, and often racist middle-aged white woman who uses her privilege to get her way or police other people’s behaviors.
と書いてあるので、また少し違いますね。
(参照:https://www.wengood.com/en/psychology/stress/art-calimero-syndrome https://www.dictionary.com/e/slang/karen/)
カリメロ誕生
イタリア語のアニメCMがYouTubeに残っているので見ていきたいと思います。
(字幕がだいぶ雑なので、彼から聞いた意訳も含まれます。)
お母さん鳥は5つの卵を産みます。
その中で1つだけ殻がうまく破れなかったヒナがいました。それがカリメロです。
生まれた直後は半分だけ殻が取れなくてうまく見えなかったので、殻のままうろうするカリメロ。
そのままお母さんを探している間に、泥の中に落ちて黒くなってしまいます。
いろんな人に尋ねるものの、お母さんは見当たらず。
「お母さんを見つけるのは本当に大変だ!」と言うカリメロ。
(このときのeeeeeeというのはうちの彼がよく言うトーンで爆笑)
そしてついに、カリメロはお母さんを見つけて尋ねました。
「あなたは僕のお母さん?」
そうするとお母さんは言います。
「わたしの子どもたちは、みんな白いから
黒いあなたはわたしの子どもじゃないわ。」
そこでカリメロは
「もし僕が白かったらお母さんになってくれる?」と聞くと、
「もちろんよ、piccolo」と、言うお母さん。
と、そんなときに一人の少女が現れて、
「あなたは黒いんじゃなくて泥だらけなのよ」
と言って洗剤で洗ったら見事に白くなるカリメロ。
というコマーシャルです。
ええええ。
これって…!!!(衝撃)
なかなか今の時代には差別的だし、親子の関係的に言っちゃいけないというか…
このアニメ子どもに見せていいの?って感じです。白かったら子どもにしてあげる、って衝撃。
これが7時〜9時のゴールデンタイムにテレビに流れていたと考えると・・・すごいイタリア笑
ご覧の通り、アニメは白黒で1970年代に放映されていたと言われています。
大人になった今、カリメロの声高いイタリア語が可愛いといえるけれど、内容的には自分の子どもには見せたいとは思いません笑
でもおもしろいことに、他のアニメではこのお母さん鳥、カリメロのお母さんとして出演しているんですね。でも詳しいことは描かれていないので、わかりません。
今残っているYouTubeの動画
カリメロが学校に行ってテストを受ける回
こちらのお話もなかなか衝撃でかわいそうなので、和訳をします。
学校でテストを受けるカリメロ。
今日は算数です。
フクロウの先生の出す問題がこちら。
「お母さんは卵を買いにスーパーに行きました。
1個40リラの卵を15個買いました。
さて、お母さんは卵にいくら払ったでしょう。」
カリメロは
「Bene、Bene(こんなの簡単だ。)
僕のお母さんは卵を自分で産むから、卵には一銭も払っていないよ。」
と書きます。
そんな中、
テスト中に友達のウサギさんのコピーされてしまいます。
「eeeee Copione!(Copycat!)」と声を荒げるカリメロ。
カリメロはこのときにウサギさんにこう言います。
「君のお母さんが卵を産んでいるのを見たことがあるかい!?!?ないだろう?」
(ウサギは哺乳類だから卵は産まない)
その声でカリメロがコピーしたと先生に勘違いされて、
外に追い出されてしまう、と言う話。
いろいろツッコミどころ満載なお話でした。
それにしても最後のカリメロの返し(ウサギは卵を産まない)は思わず笑ってしまいました。
それにしても理不尽ですよね 笑
カリメロが友達の家にいく話
カリメロが友達の家に行って、おもちゃを壊したのを自分のせいにされてしまう話。
家にお邪魔する時に、殻を取るのが可愛い 笑
カリメロが船の上で歌を歌う回
船の上でお手伝いをしようとするカリメロ。
みんな一生懸命頑張っているので歌を歌ってみんなを元気づけようとしました。
歌った歌が悲しい歌だったので、みんな聴き入ってしまいます。
舵取りは舵を忘れて、船は座礁。これをカリメロのせいにされてしまう、という話。
このほかにも調べていくとかなり出てきます。
ただ字幕がないものがほとんどなので、絵の内容から察するしか方法がないのが残念ですね。
さて、いかがでしたか?
愛くるしいカリメロですが、自己評価が低い彼の性格を初め、それが心理用語として使われている現在。70年代にイタリアで放映されていた事実などなど、なかなか衝撃的すぎました。
時代と共に、ドラマや映画でお酒やタバコのシーンが少なくなっていくように、こういう使われる言語も変化をしていきます。昔はこういう発言が普通だったことを考えると、歴史を知る大切差を感じます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。