自分の名前について、もしくは名前が意味するものって考えたことありますか?
私はホテルで働いていた時、
「名前というものはその人の看板のようなものだから、絶対読み違えたりしないように。読み方がわからないなら本人に聞くなどして、丁寧に扱うように」と教えられました。
しばらく忘れていましたが、オーストラリアにきて、名前という存在の大きさを改めて感じている今日この頃。
今日あまり深く考える習慣のない、でもとても身近な「名前」というものについてつぶやきます。
オーストラリアでの「名前」という存在
会話をしていると相手の名前を呼ぶことが多いオーストラリアの文化。アメリカとか他の英語圏には行ったことがないのでわかりませんが。
挨拶の後ろにも、Hi, 〇〇! See you,〇〇!
などと言った形で名前をつけて会話をしていく習慣があります。
コーヒーを頼んだときも名前を聞かれて、コーヒーが出来上がったら名前を呼ばれてコーヒーを受け取りに行きます。
電話で問い合わせをしたり、予約の際にも必ず節々に「〇〇、それではこれの内容でキープしておくね」などと言い、必ずとも言っていいほど相手の名前をよぶ。
もはや礼儀の一部になってあるように感じます。
日本では、そこまで相手の名前を頻繁によぶことがないのもあり、このオーストラリアの習慣は慣れない感覚。
3年住んでる今でも、まだ気をつけないと忘れてしまうのが正直なところです。
日本人の名前は海外でどのくらい通用するのか
オーストラリアに住んでいる日本人も年々多くなってきているので、いろんな名前が浸透しているのが現状。
KenとかYasuとか、YukiとかMikaとか短くて簡単な名前は発音もしやすいし、覚えてもらいやすい名前ですね。
母音がふたつ重なる名前は、ネイティブにとって比較的に発音しづらいと言われています。
「あおい」とかはおそらく読みづらいんじゃないかな。
日本の読み方だと普通なのに、海外に行くとなんか違う読み方になってしまうものも多くあるので、まぁしょうがないのかな。
じつは、私の本名はなかなかのオージーには呼びづらい名前。
外国人に慣れていないオージーはほぼ100%の確率で覚えてもらえない&読めない 笑
だからコーヒーを頼むときはストレス。
自分の名前を伝えてもほとんどつたわらないので、勝手に違う名前をつけてオーダーしてしまいがち。
イングリッシュネームは持つべき?実は本名が就職の採用に関わっている?!
先日あるポッドキャストをきいていて、ふと耳を奪われました。
2009年のオーストリアの大学の研究では、中国系の名前を持つ面接希望者が面接によばれる確率は、アングロサクソン系の人が3分の1であるのに対し、5分の1と低いことがわかったそう。(それだけがファクターじゃないだろう、と内心思ったのですが。それは置いておいて。
http://www.andrewleigh.org/pdf/AuditDiscrimination_media.pdf
また、2017年のシドニー大学の研究でも、中国系の名前の人は4.8%面接によばれるのに対し、アングロサクソンの人は13%と大差があることがわかったそう。
聞いていくとそれだけではなく、やはり呼びやすい名前の方が覚えてもらいやすく、印象に残りやすいのが現実のよう。
まぁ納得かな、というのも正直なところ。
マッサージしていても、私のお客さんが帰ってきても私の名前を覚えていない。
「あーあの日本人の・・・」と言われてもなかなかスムーズにいきませんよね。
だから、仕事などはイングリッシュネームがあった方がいいのかな?!というのが正直なところですが。私は使っていません。
ポッドキャストで聞いためっちゃ共感できる話とそれに対するコメンテーターの反応が考えさせられたので聞いて欲しい!
さっきのコーヒーの話に通じるところがあるのですが。
前回の記事で紹介した、私の大好きなこのポッドキャスト。
今回のエピソードで面白い話をしていました。
大体20分くらいからこのお話を聞くことができます。
今回のエピソードではいつものキャスターさんではなく、ABCNewsの土日キャスター、Fauziah Ibrahimさんが代わりに来ていました。カタカナで書くと「ファウジアさん」となるんですが、読み方がなかなか難しいですよね。
彼女はこれ以外にも名前がいくつか持っていて、それらの名前には家族階級、ヒストリーなど意味がが含まれているようです。
そしてそんな彼女もコーヒーを頼むときはわかってもらえないことがほとんどで、とてもストレスになってしまったよう。
そして自然と自分の全く違う、呼びやすい「マリー」という名前を使ってオーダーするようになりました。
そんなある日。
カフェに行き、いつも通り「マリー」という名前でコーヒーを注文をしたところ、オーダーをとっていたそのバリスタがいきなり黙りこう言いました。
「いいや、君の名前はマリーじゃない。君の本当の名前は何?」
ファウジアさんはびっくりして自分の名前を言うと、そのバリスタは
「そうだと思った。君の名前の意味は?その背景は?話を聞かせて欲しい!」と言ってきたそうです。
その後、彼は中東系出身だということがわかり、彼もファウジアさんと名前に対していろいろと共感することがあったそう。
そして彼が最後に「Be proud of it. It’s your heritage and your story.(誇りに思って)」と言ったそう。
なんとも和やかなお話でした。
そこで他のキャスターのジェシーさんが言っていたのは、
「コーヒーをオーダーするだけのために、自分の名前じゃなくて、誰かの名前を使うということがどれだけフラストレーションかわかるし、アイデンティティーもわからなくなるよね。」と。
そして、ジェシーさんが聞きました。
「名前が難しくて正しく発音できなかったとき、不快に思う?それとも、それでも挑戦して欲しいと思う?」
それに対してファウジアさんは、
「もちろん挑戦してくれた方が嬉しい。そして何回もチャレンジしても言えなかったとき、笑いながら簡単に呼べる名前を一緒に考えた方が楽しいわ。」と答えました。
このエピソードを聞いていろんな思いが込み上げてきました。
というのもさっきも言いましたが、私の名前もなかなか発音のしづらい名前。
今いる学校のクラスでも1回も私の名前を呼んでくれない友達もいます。(たまたまかもしれませんが)
でもやっぱり何かのきっかけがあって、友達や先生が「この発音であってる?」と確認してくれたことが、正直に嬉しかったことを思い出しました。
わたしがそれでも本名を使い続ける理由
「呼び方がむずかしくて、覚えてもらえない!」
「仕事もイングリッシュネームが有利なら使えばいいじゃないか!」
と思われるかもしれませんが。
わたしはこれからも本名を使っていこうと思っています。
と、いうのも、以前英語の名前を使った経験がありまして。
そのときに一緒に住んでいたシェアメイトと何かの話の際に、イングリッシュネームの話になりました。そうすると彼女は、
「えなんで?両親からもらった名前なんだし、そんなに偽ることないよ」
とさっきのポッドキャストのバリスタさんのようなことを言われたことがありました。
それを聞いたときに、初めに書いたホテル時代に言われていたことを思い出しました。
「名前は自分の看板のようなもの。」
私の名前は私を表している。それに両親がいろんな思いをもってつけてくれた名前。
ということでそれからイングリッシュネームを使うことをやめました。
確かに、覚えてもらいづらいし、呼びにくいけど。
本当に私のことを知りたい、覚えたい、と思ってくれ、覚えていてくれる人がたくさんいます。
お客さんも、学校のクラスメイトも、仕事場の仲間も。
だから、これからもイングリッシュネームを使うことはあまり考えていません。
今日はちょっと気づいたことをシェアしてみました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!